昔ながらの喫茶店『さぼうる』

東京の喫茶店について語りたいならば、この店には入っておいたほうがいいという老舗がいくつかあると思う。
渋谷の名曲喫茶ライオン、浅草のアンジェラス、谷中のカヤバ珈琲、北千住の喫茶室サンローゼ、町田のプリンス、そして神保町のラドリオ、ミロンガ・ヌオーバ、忘れてはならないのが、さぼうる。

古本屋街として知られる神田・神保町。
白山通りと靖国通りの交わるにぎやかな交差点、
そのそばの路地に建つ、昭和30年創業の老舗喫茶だ。


昔からあるこちらは、飲み物とパン類メニューを提供する本店。

すぐ隣には、ナポリタンやカレーなどの食事メニューを出す『さぼうる2』が建ち、
さながら、この路地は「さぼうる通り」とでも呼びたくなる独特の景観がある。

店内には、古本屋街にふさわしく、じっくりと読書にふける客の姿が多い。
テーブルや椅子、店頭のトーテムポールなどは、
創業から半世紀以上を経た今も、ほぼ当時のまま。

当時のままといえば、このマスター(鈴木さん)も
創業から、もう60年近くも勤めているという。

友人が始めた店を手伝ううち、途中で経営を譲り受けたとか。
マスターのファンも多そうだ。

ピザトースト(大700円)を頼んでみた。
ふっくらした分厚いトーストに、とろっとしたチーズ。
まったく、文句のつけようのないピザトーストといえる。満足。

この生ジュース(バナナ・イチゴ)も傑作。
砕いた氷とともに、果物と牛乳をミキサーで混ぜたものが出てくる。
まだ氷が解けきっておらず、程よくシェイクされた何ともたまらん飲み口。

マスターの勧め通り、ストローを使わずに直飲みしてみた。うーむ、イケル。
お代わりしたくなってしまったぐらいだ。

まるで隠れ家のように、地下にもテーブル席がある。
夜11時まで営業しているため、夕方からはアルコールを楽しみに訪れる客も増える。
次は夕方にでも、酒を飲みに来てみよう。


○味の珈琲屋 さぼうる
千代田区神田神保町1-11
TEL 03-3291-8404
地下鉄神保町駅A7出口すぐ
営業時間 9:00〜23:00
日曜定休 (祝日不定休)